税制改正等お役にたつ情報を提供するコーナーです。
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平成23年12月10日、平成24年度税制改正大綱が出ました。
昨年は、頑張って情報をアップしましたが「ねじれ国会」で法案が成立せずがっかりしましたので、本年は取り急ぎリンク先のみ掲示いたします。
こちらからどうぞ
アクセスできない場合は「平成24年度税制改正大綱」で検索すれば出てきます。
回通常国会に税制改正法案が提出されておりますが、ご承知の通り「ねじれ国会」であるため成立の見通しは立っていません。今後の法案の審議の動向にご注意ください。
①『法人税率の引き下げ』(減税)
地方税も含んだ実効税率で5%の引き下げということですので、法人税率では30%が25.5%、800万までの軽減税率は18%から15%に引き下げられる予定です。
②『減価償却、定率法償却率の見直し』(増税)定率法の償却率が、従来定額法の2.5倍だったものが2倍に縮減されました。これにより減価償却費の額が減ります。23年4月以降の試算に適用されます。
③『欠損金の繰越控除』(減税)
繰り越せる期間が7年から9年に延びます。大企業では代わりに控除額が80%に制限されますが、中小企業では期間が伸びるのみです。
④『雇用促進税制』(減税)
一定の要件を満たした雇用の増加には一人当たり20万円の税額控除が認められます。事前と事後にハローワークへの届け出が必要です。雇用拡大の可能性のある事業者は事前に当事務所までご相談ください。
①『給与所得控除の改正』(増税)
1500万円を超える人の給与所得控除が245万円で頭打ちとなりました。従来はいくら給与をとっても給与の5%は控除がありましたが、上限が設定されました。さらに、会社の役員は年収2000万から4000万までの間で段階的に給与所得控除を245万から125万まで減らされることになります。会社経営者等で高額給与所得者はかなりの増税になります。
②『成年扶養控除の見直し』(増税)
23歳以上の成人について、従来は所得が38万までなら扶養控除ができていましたが、原則認められないこととなります。ただし、扶養者の所得が400万以下の場合や被扶養者が高齢者・障碍者等に該当する場合は今迄通り扶養が認められます。失業率の高い昨今、増税となるケースが多くなりそうです。
③『特定支出控除の見直し』(減税)
サラリーマンが給与所得控除に変えて実費計算で経費を計上できるという制度が拡大されました。職務と関係ある図書費や被服費、交際費などが認められますが、65万という上限があります。また、税理士等の資格取得費用は別枠で対象にできます。しかしながら、実際に給与所得控除より多くなるケースは少ないと思われます。
①『相続税の税率引き上げ』(増税)
2億超3億以下の税率が40%から50%に、6億超の税率が50%から55%に引き上げられました。影響は一部の資産家に限られます。
②『相続税基礎控除の縮減』(増税)
5000万+1000万×法定相続人数だったのが、3000万+600万×法定相続人数に引き下げられます。これにより課税対象となる方が2%程度増えると見込まれています。
③『相続税生命保険金の非課税の縮減』
従来は500万×法定相続人数という非課税枠がありましたが、改正案では未成年者、障碍者、被相続人と生計一の法定相続人数に限られます。これも多くのケースで増税になると思われます。
④『贈与税の税率の変更』(増税・減税)
従来は1000万超は50%だった税率を、1000万‐1500万は45%、1500万-3000万は50%、3000万超は55%と細分化しました。
また、世代間の財産移転を促進するため親から子供等への贈与については税率が軽減されました。
民主党政権になって初めての税制改正大綱が平成21年12月22日に発表されました。今回はマニフェスト項目などもあり国民の関心は比較的高かったように思いますが、マニフェスト項目以外にも重要な改正がありましたので併せてご紹介します。また、今回は概要のみの紹介とさせていただいております。その他詳細は当事務所までご相談ください。
(注)本情報は平成22年度税制改正大綱によるもので、174回通常国会で法案が成立するまでは確定ではありません。
(平成22年2月20日更新!)
①所得税16歳未満の扶養親族に対する扶養控除(38万)が廃止されます。これは子供手当の支給対象になる扶養親族には控除を廃止するというもので、「所得控除⇒税額控除⇒給付付き税額控除⇒手当」という格差是正の方針実現の第1弾とも言えそうです。また16歳以上19歳未満の扶養親族に対する扶養控除(63万)が上乗せ部分(25万)の廃止により38万になります。これは高校の授業料無償化に伴う措置で、年間12万程度の授業料の負担が減るため、中学生以下に対して優遇する理由がないことを根拠としていると思われます。意外と知られていないようなのですが、本改正は平成23年分の所得税から適用されるので、まだ少し先の話です。②住民税16歳未満の扶養親族に対する扶養控除(33万)が廃止されます。また16歳以上19歳未満の扶養親族に対する扶養控除(45万)が上乗せ部分(12万)の廃止により33万になります。マニフェストでは住民税の扶養控除は廃止しないと言っていたので違反したことになりますが、所得税と住民税の申告が連動していることから考えると、行政事務的にはこのほうが効率的だとも思えます。ただ、見返りにマニフェスト項目の配偶者控除の廃止は合理的理由もないので撤回してもらいたいものです。本改正は平成24年分の住民税から適用されます。 ちなみに所得税+住民税の最高税率が50%ですから約38万の控除廃止による増税額は最高でも約19万円。子供手当は満額になればですが年間31万2千円。結果、最高税率の人でも12万程度手取り増になるので、所得税・住民税だけでみれば中学生以下の子供がいる全ての世帯で手取りが増える見込みです。(児童手当の絡みで手取り減になる世帯も若干あります。また、保育料等への影響はプロジェクトチームで検討されることになっています。)
①『特殊支配同族会社の損金不算入制度の廃止』 これは租税理論を無視した悪法でしたが、税理士会などの働きかけにより22年4月1日以後終了事業年度から廃止されることとなりました。この法律は法人が役員報酬を損金で落とし、尚且つ個人は給与所得控除が受けられるので二重控除になるとの見地から給与所得控除を法人側で損金に算入しないという措置でした。しかし、会社が払う給与が損金になるのは当たり前ですし、給与所得控除はサラリーマンなどのスーツ代、カバン代、ネクタイ代等の費用を実額計算することに変えて概算で経費を計算するというものですからそもそも二重控除は当たり前なのです。更に高額報酬が問題なら同族会社に限らず大企業も全て一律に問題視すべきであり、不公平な税制であることは明らかでした。今回の改正によりこの制度は廃止になりますが、変わって高所得者の給与所得控除を制限しようとすることが検討されています。現在はどんなに収入が多くてもその5%は給与所得控除が受けられますが、収入が増えるにつれてある程度実費も増えることは考えられますが、一定より上はそうは実費が増えないだろうということです。今回の改正で高所得者一旦は喜ばしいことになりますが、来年以降の税制改正の動向も注視する必要があります。 ②『グループ法人税制の創設』関係会社を複数持っている企業グループに限られますが、革命的な取り扱いの変更がありました。100%企業グループ内での固定資産や有価証券の売買はグループ内での移転時には売買損益を実現せず、グループから出た時点で損益を認識するというものです。従って、グループ会社内で自由に資産を配分する機動的な経営が行いやすくなりますが、反面関連企業への資産の譲渡で損出しをして節税するということも出来なくなりました。出来なくなくなったと書きましたが、これは強制適用されるからこう表現したわけで、従って企業のいいように選択することはできません。ただし、対象となる資産が簿価1000万円以上の固定資産、有価証券、金銭債権等になると思われますので、対象となるのは主に土地や自社株などを移転した場合になると思われます。また、グループ企業内での寄付については、従来支払い側は寄付金で損金不算入になり受け取り側は単純に益金になっていたので二重課税が生じていましたが、今回の改正で受け取り側が益金不算入となりました。これにより関係会社間の決算書上の赤字の補てんが企業グループ内で容易に行えることになります。
①『定期金に関する権利の評価』一時払い個人年金を使って例えば40年間の年金受給権を相続・贈与することによって実際の財産額の約2割の評価で相続税・贈与税が計算できるというもので、当事務所でも法改正によるリスクを説明の上、相続対策の商品として取り扱ってきました。今回規制が入りましたが、わずかな抜け道がありました。それは、22年3月末までの契約を23年3月末までに贈与すれば従来の評価が使えるということです。殆どの加入者が2000万円前後の契約なので評価で400万、税額で20万程度なので、2000万に対する税負担割合は1%程度でこの機会に贈与することをお勧めします。新規に加入を考える方は22年3月が期限ですのでお早めに当事務所までご相談ください。②『住宅取得資金贈与の非課税枠の拡大』父、母、祖父、祖母等から20歳以上の子に対し住宅取得のために資金を贈与した場合、従来は500万円まで非課税とされていたのが、22年度は1500万まで、23年度は1000万まで非課税となり、その非課税枠が拡大されました。なおこの贈与財産は相続開始前3年以内の贈与財産の相続財産への加算(生前贈与加算)の適用はないので有効な相続対策と考えられます。
①『消費税の還付制度への規制強化』 いわゆるマンションの消費税還付というものに規制が入ります。課税事業者を選択した者は3年間は免税事業者や簡易課税事業者になれないというものです。唯一残るのは、もともと何らかの事業やっている課税事業者が、本則課税を選択してすぐに簡易課税に戻るという場合です。当事務所では自動販売機での還付はさすがに行き過ぎた行為だと判断し行いませんでしたが、ようやく法制度が整ったようです。 ②『農林漁業用のA重油の免税措置』西条市は農業、漁業の事業者も多いですが、その方々にとって重要なのがこのA重油の免税措置です。実は今回の税制調査会では最後まで廃止される見込みでしたが、いわゆる政治マターで最後の最後に免税措置の延長が認められました。ただし1年限りの延長となっておりますので来年以降の税制改正に要注意です。